MZ-1E24
(MZ-700/1500/2000/2200用RS-232Cボード)

 廉価版RS-232Cボードです。高かったMZ-8BIO3の後継製品ということになります。見た目にも、基板の大部分を占めていたハイブリッドICがなくなったことで圧迫感のようなものは軽減されているような気がします。

 1985年に実施された通信の自由化で、一気にパソコン通信がブームとなりました。各社製品も通信機能の強化が図られ、シャープもMZ-2500で通信機能を前面に押し出して宣伝しておりました。

 旧機種はというと、それまでも一応はMZ-8BIO3という形でRS-232Cボードを発売していたわけですが、やはりあまりにも高価(50000円)ということでたいして普及していたわけではありませんでした。普通なら新機種のみをサポートして旧機種は見捨てられるところなのでしょうが、この時は通信ユーザーを増やしたかったのか、はたまた企業イメージの問題か、コストダウン(19800円)したボードを新たにリリースして旧機種ユーザーも恩恵を受けられるように取りはからわれたようです。

 ではMZ-1E24(右)と元になったMZ-8BIO3(左)を比較してみましょうか。写真にマウスカーソルを重ねると部品の分類が現れます。

 コストダウンのポイントは、なんといってもハイブリッドICが普通のZ80SIOに置き換わったところでしょう。MZ-8BIO3ではなぜZ80SIOじゃなかったかと言えばそれはカレントループをサポートするためだったのですが、当時でさえMIDIを除いてカレントループで接続する民生機は皆無と言って良く、当然ながらMZがMIDIをサポートしていたわけでもありませんから、削除しても困る人はほとんどいなかったでしょうね。

 その次に目立つ変更点は電源。レベルコンバータに供給する±12Vを生成する電源回路が、TL497を使用する当時の典型的な構成からDC-DCコンバータに変わりました。部品点数の減少もコストダウンのポイントですね。

 しかしそれ以外は残念なくらいに変更されていません。特に、ボーレート設定関係がボード上のスイッチ設定のままだったところが残念すぎます。MZ-8BIO3の当時は組込み機器の思想が強かったのか煩雑にボーレートを変更する用途に思いが至らなかったのかもしれませんが、MZ-2500ではソフトで設定できるのですし、ほぼ同時期のMZ-1E24でもそれくらいの拡張があってもバチは当たらないと思うのですが…。

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