PC-1270

 PC-1246/1247の実行専用機です。私の実行専用機シリーズその3(^_^;)。見た目はベース機のイメージを踏襲しつつ、PC-1252Hなんかと同じようなキーの構成になっています。使い方はほとんど同じですね。
 しかしPC-1246/1247をベースにしたとは思えないほどの変更点がPC-1270にはあります。その最も大きなものがRAMカード。ハーフサイズの4K/8K/16Kのいずれかのカードが使用可能で、逆に使用しないと電卓にもなりません。ソフトハウスはRAMカードにプログラムを書き込み、それとPC-1270を組み合わせて売るということをしていたようです。
 フタはPC-1360Kにあるような立派なものではなく、薄いプラスチック板でできています。とりつけははめ込み。あ、シールをはがすのがもったいなかったので右に開いてますが、ほんとはシールをとって完全に外してしまえるものです。
 そして最大の謎、カナ表示。もちろんベース機のPC-1246/1247にはそんな機能はありません。ROMにデータがあるのか、それとも実はグラフィック表示なのか?それにどうやって開発するのか?謎は深まるばかりです(まぁ専用SDKみたいなのがあるんでしょうけどね)。
 海外では今でもPC-1270にソフトを仕込んで売っているところがあるようです。PROM Softwarelというのがそれなんですが、ローンやリースの計算ソフトの他、天候を元にヘリコプターや水上飛行機のフライトプラン作成を補助するソフトなんかも売っているようです。自ら開発ソフトを作ったりRAMカードではなくフラッシュメモリカードを作ってそこにソフトを入れるようにするなどなかなかすごいです。商売を続けるために、いらないPC-1270を譲ってくれるよう呼びかけています。いやはやなんとも。

PC-1270の使い方

 マニュアルもなければ開発ベース機もない(PC-1250/1251で開発できるという話もあるようですが)んであまり解析してません。ほぼ同じだろうということで「仮」の情報を掲載することにします。

電卓機能

 電源を入れると、よくある10桁電卓として使用するモードになります。メモリー機能もあります。メモリーに何か値が入っていると、液晶右上にMマークが点灯します。
 プログラムを止めても、電卓モードに戻ります。

内蔵プログラム実行機能

 キーが4つずつ計8つ並んでいますが、これがプログラム実行キーです。他機種と同じく上がA〜D、下がJ〜Mに割り当てられているのだろうと思われます。実はこれはPC-1250とかでいうところのDEF+英字キーと同じ働きをするようになっています。DEF+英字キーというのは、例えば

10:"A" CLEAR

などとプログラムが書かれていたとき、RUNモードにおいてDEF,Aの順に押すと"A"と書かれたラベルの場所から実行する機能です。カシオのポケコンでは10個のプログラム領域があって、それぞれを独立したプログラムとして扱うようになっていますが、シャープのポケコンではプログラム領域はひとつです。そこで、複数のプログラムを一本にまとめる代わりにそれらを行番号で管理しなくてもいいようにラベルジャンプできるようにしてあるわけです。ちなみに、ラベルは複数文字や予約語もOKです(文字列なんだから予約語が含まれたって関係ないでしょ、と思うなかれ。ポケコンはプログラムが入力されると予約語については中間コードに変換するけれども、その後は予約語を一文字として扱うのだ。つまり、例えばエラー処理ルーチンのラベルに普通に"ERROR"と書くより、一度予約語として認識させてからダブルクォーテーションでくくるほうが4バイト節約できるというわけ。ちゃんと表示もできるから、少ないメモリをできるだけ有効に使うためによく使わせていただきました、この技)。

プログラムの入出力について

 液晶の右下にあるINとOUTの丸い穴は、リセットボタンのようにボールペンのように先の細いもので押し込むことで機能させることができる、テープへの入出力ボタンです。つまりは、CLOADとCSAVEがそれぞれひと押しで実行できるということですね。
 プログラムはもちろんPC-1270で作成することは不可能ですから、PC-1246/1247で作成したものを転送する必要があります。EA-128Cというケーブルを使うとポケコンどうしで直接転送が可能です。私も昔は似たようなケーブルを使ってPC-1251とPC-1250との間でデータをやりとりしていたものです…。

 ちなみに、CAキーは事実上BREAKキーと同じ働きをします(プログラムを停止し電卓モードに戻る、節電機能でOFFになった時のONボタンになる)。

その他のキー

 ENTERキーは普通どおりデータ入力用のキーですが、実行専用機で最も特徴的なのはYESとNOのキーでしょう。これはそのまま入力されるわけではありませんが、INKEY$なんかではちゃんと識別できますので、ユーザーに判断を促したいときなどに有効に利用できます。

プログラムの注意点

 主に操作上の違いから、次の点に注意してプログラムを作成するようにする必要があります。

キー コード キー コード キー コード
A 65 0 48 ÷ 47
B 66 1 49 × 42
C 67 2 50 - 45
D 68 3 51 + 43
J 74 4 52 CL 82
K 75 5 53 CE 83
L 76 6 54 = 61
M 77 7 55 CM 84
YES 79 8 56 RM 85
NO 78 9 57 M- 86
ENTER 80 . 46 M+ 87
    % 81

 カナが使えるようですが、どのように指定するかは不明です。

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