TRS-80 PC-2

 PC-1に続く、タンディ・ラジオシャック向けOEMの第2弾。今度の種機はPC-1500です。PC-1が相当ヒットしたようで、もちろん日本でもヒットしたPC-1211の後継機ですから、さぞや期待を集めたのではないかと想像するのですが…。



 …どうしてこうなった!!!


 せっかくのタイプライタ型配列だったPC-1500の特徴が台無しです。PC-1211の時に散々言われた、「キーが押しにくい・探しにくい、タイプライタ型配列にするべきだ」という声に応えてのあの配列だったのに…。

 想像の域を超えないのですが、それが日常的にタイプライタを使う生活を送っていたかどうかの違いだったのかもしれません。つまりタイプライタを使い慣れた人は、「ホームポジションに両手を置いて使えるものでなければ、タイプライタ型配列にする意味はない」と思うのでしょう。一般的な日本人がタイプライタ型配列に慣れ親しむなんてパソコンが登場するまでごく限られた人だけのことでしたから、憧れであったり、常識であったり、そういう固定概念が「タイプライタ型配列であるべきだ」という要求に反映されたのだと思います。

 多分この配列はシャープからの提案ではなくタンディからの要求だったのでしょう。次のPC-3でオリジナルの周辺機器を用意するなど、タンディ向けの特別仕様というのはいつも何かあったと考えた方が良いのだと思います。さすがに外装に留まらない特別仕様はコストがかかりそうですが…。

 タイプライタ型配列というのはPC-1500系列の「顔」だったのでPC-1501PC-1600Kでも引き続き採用されるのですが、その他はというと筐体デザインが大きく変わったPC-EシリーズやPC-Gシリーズになるまで、もちろんハンドヘルド級の大きさであるPC-2500シリーズは除きますが、他は一切採用されることはありませんでした。これはカシオのポケコンとは異なる傾向です。もしかしたらタンディからの要求というものがその後のデザインにまで強く影響を及ぼしたということなのかもしれません。




 裏面。全体が淡い色なのでわかりにくいですが、構造はPC-1500と変わりません。



 もちろんメモリモジュールも装着可能。そのメモリモジュールもOEM仕様ですね。

 いろいろ調べてみると、PC-1500シリーズは海外のいろいろなところにOEM出荷されていて、かなりの数のバリエーションがあったようです。CE-158(RS232Cインターフェース)など周辺機器もOEM供給されていたようですし、拡張性の高さが好まれたのでしょうか。タンディへのOEMはPC-3に移行していったと思ったのですが、もしかしたらそれ以後もPC-2が併売されていた可能性は高そうですね。

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