MZ-1R18
(MZ-800/1500用RAMファイルボード)

 QDがシーケンシャルアクセス方式だったためファイルの削除が難しかったり、いくらQDが速いといっても簡易な駆動方式で何回も頭からアクセスしているようではFDDにかなわない…ということで、その緩和措置としてオプション設定されたのがこのRAMファイルことMZ-1R18です。容量はQDの片面分を収められればいいということか64KBしかありません。

 価格がそんなに安くなかったこともあり、さすがに1台1枚というほど普及しませんでしたが、MZ-1500で開発する(=何度も修正してファイルを上書きする)にはこれがないとやってられない…というほど重宝したそうです。
 BASICにLOAD ALL/SAVE ALLというコマンドがあり、QDの内容をまるごとRAMファイルにコピー/RAMファイルの内容をまるごとQDにコピーすることができたので、一度RAMファイルにコピーしておいて、修正はRAMファイル上のファイルに対して行い、最後にQDに書き戻す…という使い方ができました(モニタコマンドにも同様のものがある)。

 またRAMファイルはプリンタスプーラとしても使用することができ、容量を指定して初期化することでプログラム一時保存用とプリンタスプーラとを同時に使用することができました。

 しかしこのボードの大きさに対して実装されているIC…どうにかギリギリ収まったという感じ?

 なかなか手に入らなかったので長らく写真で見るしかなかったこのボードなのですが、その写真だと四隅に小さな四角い穴が開いているように見えるのです。一体何なのかずっと不思議だったんですが…。

 ボード裏面には透明のシートがあって、その四隅の穴を利用してはめ込まれていたというわけですね。このシートって何のためにあるのやら?取り付け時に指などを怪我しないように…ですかね?

 RAMファイルはI/O空間に配置されるRAMディスク。つまりEMMなんかと同種のボードなので、カードエッジコネクタにて接続される信号は拡張ボードと同じZ80バス信号。そうか、つまりは搭載位置の関係で寸詰まりになってるだけで、あとは他の拡張ボードと同じだよね?…と思ったこともあったのですが、なんかちょっと違うような…。

 ちょっとMZ-1E24を上に乗せて比較。ボードの幅が左右に広げられていて、しかも耳がついています。
 さらにバスコネクタも、なんだかちょっと幅広いですよ?
 というのも、MZ-800/1500ではRAMファイル用のコネクタが50ピンだったり、ボードの固定がガイドレールではなくスロットのフレームが加工された簡易な留め具によるものだからなのです。
 RAMファイルを装着するとこんな感じ。基板の幅が広がった部分はスロットのフレームに直接接するので、部品もパターンもなかったんですね。

 しかしRAMファイルのバスコネクタが50ピン仕様なのが謎ですね。MZ本体側が50ピンなのは入手性を改善するため…と解釈することもできるのですが、だからといってボードまで50ピンにすることはないはず。他のスロットへの誤挿入防止という意味では、ボード自体の幅が広がっているためそもそもスロットに入らないので考えにくい。敢えて理由を探すとすれば、ガイドレールを使用せず簡易的に固定するため、ボードが44ピンではずれて挿入される可能性があり、確実な固定のため50ピンにした…ということになりましょうか。それが正解だと本体のコネクタが50ピンありきだったことになるわけですが…。

 50ピンスロットはこの後MZ-2500でも採用され、MZ-2800では28モード用の信号が割り当てられてHDD I/FのMZ-1E30が使用することで意味を持つようになりました。対応ソフトはないですけどMZ-1E30は入りそうですから、MZ-1500にもHDDが接続できる可能性があることになりますね。

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